Google Cloud Next 24を通じ発表されたAppSheet新機能(ラインナップ)

Apr 16, 2024
今月2024年4月にラスベガスで開催されていたGoogle Cloud Next 24。その中で、今後リリースが予定されているAppSheet新機能に関する発表がありました。要点を整理した上ご紹介します。また、弊社独自の見解や注意点なども記載させていただきましたのでご高覧下さいませ。

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本編動画はYoutubeで非公開動画としてリストされていますので全編はこちらのリンクからご確認下さい。
 
 

6つの新機能

  • AppSheet Connector (Integration connectors for AppSheet)

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    今回、大きく6つの新機能発表がなされましたが、その中で弊社が最も注目している新機能の一つが様々な外部サービスをAppSheetのデータソースとして指定できる独自Connectorの登場です。SAP HanaやJiraなど企業内で活用される様々なSaaSを初めとしたサービスをデータソースとして指定することがNo-Codeで実現できるようになる他、発表の中で詳細は触れられていませんが、Google のVertex AIを利用して作成した独自の機械学習を介したAI Modelをデータソースとして指定することができるとの内容です。2020年のGoogleによるAppSheet買収以降、BigQueryをデータソースとして指定できるようになった他は大きな改修や新機能リリースの無かった分野でしたが、AppSheetを介し、組織・企業内で運用している外部アプリやサービスを瞬時に連携し、AppSheetからデータ操作が可能になることによりAppSheetの活用シーンやユースケースを無限に拡大してくれる新機能としての期待が高まります。

    プレゼンシートには100を超える外部サービスとの記載がありますが、具体的なリストは発表されていませんので、今後、Preview Releaseなどの機会を通じ具体的にどのようなサービスをAppSheetのデータソースとして指定可能か確認し、情報得られ次第、DOJOニュースを通じ皆様と情報共有させていただきます。

    Preview Releaseは2024年Q3中を予定しているとのこと。
 
  • Googles Form as data source

    Google Formsをアプリのデータソースとして指定できる新機能です。

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    上記のスクリーンショットの通り、AppSheetにテーブルを追加する際に、そのソースの一つにGoogle Formsを指定できるようになる新機能のようです。現在でもGoogle Formsを介し入力されたデータが保存されるスプレッドシートをAppSheetのデータソースとして指定し、そのシートに「AppSheet Event Add on」を追加、有効化することでFormからのデータ登録をAutomationのEventとして指定し、様々な自動化を実現できる道筋が提供されていますが、恐らくは、Add onの追加を行うことなく、Google Formsからのデータ登録をEventとし、Automationを実行する機能強化の一つと考えられます。

    Preview Releaseは2024年4月中を予定しているとのこと。

  • AppSheet Policy設定でのORG(組織)登録

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    Team Policy設定は、現在もAppSheetのEnterprise Standard/Plusライセンスから利用できる高度機能の一つとされていますが、チーム内に適用する様々なPolicy 設定を行う際、ルールの対象とするユーザーをユーザーIDで指定するだけではなく、Google Workspaceで作成・管理する組織(ORG)単位での指定を可能とする機能強化とされています。

    Google Cloud Next 24での発表時点で、リリース済みの機能とされていますので、即日利用可能な状況であると想像されますが、ご契約の管理画面のTeam Policy設定で、ORGが利用できない状態である場合、Googleに問い合わせし、別途設定を行ってもらう必要があるかもしれません。発表ではGWSライセンス購入元のリセラー様へ問い合わせること、とのコメントも有りましたので、詳細はGWSライセンサーまでお問い合わせいただくことが適切かもしれません。(弊社はAppSheet Enterpriseライセンスを契約しておりますが、弊社管理画面からも本日現在、新たなORG登録機能を確認することは出来ませんでした。)

  • AppSheet アドミン(ルートアカウント)ダッシュボード画面の刷新とエンハンスメント

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    こちらもAppSheet Enterprise ライセンス以上から利用できる管理者機能の一つです。但し、プレゼンテーションには「Available to more plans」の記載も有り、利用可能なライセンスの縛りが緩和され、Core Planなどでも利用が可能となる可能性も有ります。全社単位で、不特定多数のアプリクリエーターがアプリを開発・運用する環境では、横断的・俯瞰的にアプリの利用状況などを観察できるアドミンコンソール機能は欠かせません。情報を提示するダッシュボードのUXが強化されるとのこととからアプリの利用や運用状況をリアルタイムで全社的に観察できる便利な機能強化となりそうです。

    リリーズ時期はQ2を予定しているとのこと。
 
  • AppSheet AIの正式リリース(2024年4月中)

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    今回のGoogle Cloud Next 24では、昨今の時代の趨勢に沿う形で「AI」機能が中心となっていました。AppSheetアプリを作成する際にも、Geminiを活用し、「アイデアからアプリを作成する」プロセスを支援するAI機能がPreview Releaseされていましたが、本年4月中に同サービスが正式リリースとして展開されるようです。AppSheet AIはPreview段階では、Google ChatのBOT機能としての利用が前提でしたが発表の中で、GAリリース後は、この機能をAppSheet Editorから実行できるとの発言も有りました。
 
  • Gemini AIの利用(Extract with Gemini)

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    正直な感想として、プレゼンテーションの中で行われたデモンストレーションだけを通じては機能の詳細を見通すことは難しい新機能。AppSheetから画像ファイルをアップロードし、Gemini AIがその内容を精査。指定のKeyword に合致する情報を画像から抽出し、データとして返してくれる機能?と大まかに想像は出来ますが、機能リリースを待って実際のテスト・検証を行わない限り、実際が見通せない機能と思います。

    筆者が過去に簡単なテストを実施した際には、Geminiにりんごが9つ映り込んだ画像からりんごの数を問い合わせても正確な回答が得られなかったことも有り、Geminiの画像分析をビジネスシーンやアプリに組み込むためには更なるAIの精度の向上が期待されるとの感想を持ち合わせましたが、AppSheetにCustom AIが実装出来ることは大きなニュースであり、今後の展開が期待されます。